『魔女』誕生の指標はサバト、すなわち『魔女集会』の存在である。古いバラバラに孤立した魔女にかわって、悪魔を真ん中にした集会に、何百・何千という多数の魔女(魔女のセクト(※1))が集まるようになる。その一定の集合場所の成立が、本来の『魔女』と魔女狩りの誕生に符合している。 ○時間帯 日が暮れてから ○どうやって 箒(ほうき)にのって空を飛んで、ときに動物にまたがったり自ら動物に変身した。 このような民族的イメージ、およびそれを実現化した儀式などの存在に、エリートたち、つまり判事・異端審問官・悪魔学者らの洗練された妄想が合体してサバトができたのではないかといわれている。 悪魔の儀式 サバトへゆくために、魔女は非常に苦労して、奇妙な材料を調合して軟膏を作る。材料は、ヘビやカエルや髪の毛や聖体パンや経血であった。この軟膏を塗らないと空を飛んでサバトにいけないという説、そうではなく軟膏を塗っても塗らなくても、悪霊が彼女達を運んでくれるという説、どちらの見解もあった。 ともかく、彼女達はしばしば箒や棒にまたがって空を飛んで旅行するのである。それは、肉体と魂両方が旅行するのか、あるいは魂だけなのか、そこでも見解が分かれた。 かくて、サバトに集った魔女達は、悪魔の前にいたってかれに忠誠を誓う。彼女は紙から身をそむけて、その被造物を崇めるのであり、まさに偶像崇拝の罪におちいるわけである。魔女は悪魔の肛門に接吻して、臣従を誓う。そして青い穂脳のろうそくをささげる。 悪魔はいろんな化け物や動物の姿をしているが、しばしば山羊の姿である。山羊は、むかしから悪徳の権化であった。魔女達はキリスト教の洗礼の恩恵を箒し、それからあらたな洗礼が、聖油と男の精液を混ぜたものでおこなわれる。 サバトではヴァイオリン、トランペット、太鼓がにぎやかに演奏され、魔女達じゃ法悦のていで踊りくるっていた。人前をはばからずに乱交し、酒池肉林の騒ぎであった。幾人かの魔女はカエルの頭を切り、くもや一種の灌木(かんぼく)の樹皮・髄などとともに粉にして、人を殺し穀物をからすための秘薬を作っていた。また別の魔女は、裁判にかけられた時に自供しないための『黙秘薬』を、黒い栗の練り粉と洗礼前の子供の肝臓で作っていたという。 サバトの人肉喰いの饗宴では、子供の肉を好んで食べられる。
※1 (一般的に)全体の組織に悪影響を与える、よろしからぬ「党派」「派閥」などをさす。「セクト主義」。
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